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2005年10月10日

映画「下妻物語」を見て「NANA」のヒット要因を探る。

下妻物語 スタンダード・エディション 映画「下妻物語」オンラインDVD「ぽすれん」でレンタル。映画を見る前に僕が知っていたのは、①すごく評判がいい映画②深田恭子がハマリ役ってことぐらい。渋谷の街頭で一度ポスターを見て、テレビで一度スポットを見たくらいで、劇場には足を運ばなかった。見たかったんだけどね。

 本作の製作委員会にも入っている博報堂DYメディアパートナーズの方にチケットをもらったんだけど、その時はめちゃくちゃ忙しくて、んで、暇になったときには、上映は終わっていたので、結局見れずじまい。

 そんな中、先月に映画「NANA」を見て、ふと、この「下妻物語」を思い出し、レンタルすることに。正反対の同姓の女性「ナナ」が活躍する大ヒット少女コミック「NANA」を元にした映画。それと、この「下妻物語」には、ヒットした要因に何か共通点があるんじゃないのかなぁ、と思って。何故にあそこまでヒットし、評価が高いのか。こと、女性からの評価が高いのか。ちょっと考えてみたくなったので。

 なぜ映画「NANA」があそこまでヒットしているのか、理由が知りたい。ある人に聞けば、原作本が大ヒットしているからと言う。だけど、「NANA」に関して言えば、漫画が累計2,700万部(13巻)のベストセラー(サンスポ)といっても、1巻あたりにすると200万部ほど。それは出庫数だし、実際に読者の手元に渡った数はせいぜい150万部。劇場は50億円が見えたいう記事(報知新聞)を見て、それが仮に達成されるとすれば、全国で約400万人くらいの人が見たことになる。大ヒット漫画を原作にしたからって、それだけの理由で映画が大ヒットするほど、映画の世界は甘くないはずだ。

 ある人は、原作者・矢沢あいの人気だと言う。でも、矢沢あいのコアなファンなんて、推測だけど、多くて数万人程度じゃないだろうか。となると、このコアなファンが牽引したヒットとは言いきれない。これは、一要因に過ぎないし、それだけで、あそこまでのヒットは見込めないはずだ。

 ある人は、中島美嘉の人気だという。中島美嘉にそれほどの人気があるのか。CDはヒットして数万~数十万枚の時代。彼女一人で映画を50億円に引っ張れはしない。

もちろん、最近は、シネコンの隆盛があり、日本映画界が高騰したハリウッド映画買付額にうんざりして邦画に目を向けたことによる一種の邦画ブーム的な流れがあるのは確かだが、それは他のどの作品に関しても言えること。

 そう考えるて行くと、やっぱり映画「NANA」には、現代特有の時代性が関係しているという考えしか導き出せない。つまり、この作品には、現代とマッチする要素があり、それが観客を巻き込んだという理由。当たる映画には、必ずといっていいほど、3つの要素がある。それは①普遍性②時代性③特異性。この3つがかみ合ったとき、大ヒットする作品が生まれる。

 今回の映画「下妻物語」を見終わって思うに、なにより「NANA」と「下妻物語」に出てくる女性は、根本的には自己完結型の女性だ。言葉が悪いかもしれないが、基本的にかなりの自己中心型のキャラクター達だ。周囲の人間は関係がなく、自分だけで世界が完結する。自分が満足しうる確固とした生き方(信念と呼べば言い過ぎだが)を貫いている。客観的に見れば、そういう生き方は、めちゃくちゃ楽だ。自分だけが思う理想を追い求めて生きていければ楽だからだ。他人に気を遣い、協調する必要はない。

 現代は、社会に出れば成果を求められ、しかし、その一方で、殊に女性は、未だに軽視されることが拭いきれていない時代だ。責任は負わされるのに、それに相応しい報酬・権力が付いてこない。

 こういう状況だと、ある人は、その状況から逃げ、プライベートが楽しければいい、という生き方を選ぶ人もいる。契約やフリーター等、いつでも自分を縛るものから逃れられる職務体系を選んだりする。

 また一方で、そういう状況に、我慢をして、いつか認められる、報われると希望を持ち、頑張る人もいる。そういう人は、ガッツリ働いて、残業をして報われる日が来るのを待つか、自分の理想とする生き方を求め、転職を繰り返す。

 いずれにせよ、社会、会社、友人、家族、自分を取り巻く人間と協調しながら生きていくのは、けっこうシンドイと思う人が多い時代じゃないだろうか。プチひきこもりが多い時代だし、自分の世界やバーチャル世界で自己完結する所謂オタク層が多いのも、顕著な例だろう。メールやブログなどの、人の顔を見ないコミュニケーションを有り難がる時代でもある。言うなれば『他人と生きていくのは大変だからと、できるだけ他人と生きていかなくて良い人生を過ごしがちな時代で、でも、その状態を決して良いとは思っていない人が多い時代』と言えるのかもしれない。
 
 そういう現代にあって、女性にとっては、つまり、人間関係に疲れた現代女性にとっては、何の心配もなく自己中心で、自己完結で生きられる映画の中のキャラクター達は、羨ましいし、一種の理想とも思えるのかもしれない。

 そう思わせるほど、彼女たちは、したい事はする、したくない事はしない、周りがどう思ってもかまわないし、価値観は自分の中にしか存在しない、というようなキャラクターたちだ。だから、とってもストレスフリーだ。

 NANAがヒットした要因となりうるものは、もう一つ考えるところはあるが、それは置いておいて、この現代女性の抱える悩みから開放された「NANA」と「下妻物語」の主人公達(「NANA」の後半、宮崎あおい演じるハチは、現代女性のような悩みを抱えるが…)。彼女達に、現代性があってこそ、両作品は高く評価されたんじゃないだろうかと思う、今日この頃。



□出演
 竜ヶ崎 桃子 / 深田 恭子
 桃子の父 / 宮迫 博之
 一角獣の龍二 / 阿部 サダヲ
 亜樹美 / 小池 栄子
 八百屋の若旦那 / 荒川 良々
 組の兄貴分 / 本田 博太郎
 白百合イチゴ / 土屋 アンナ
 桃子の母 / 篠原 涼子
 BABY, THE STARS SHINE BRIGHT の社長 / 岡田 義徳
 ミコ / 矢沢 心
 パチンコ屋店長 / 生瀬 勝久
 桃子の祖母 / 樹木 希林

□脚本・監督
  中島 哲也
□原作
  嶽本 野ばら
  (小学館刊「下妻物語」より)
□音楽
  菅野よう子
  (サントラ盤:DefSTAR RECORDS)
□キャラクターデザイン
  小暮真位子
□オリジナル・テーマソング
  「Hey my friend
  「Roller coaster ride→
  Written by Tommy heavenly6 & Mark and John
  Performed by Tommy heavenly6
  (DefSTAR RECORDS)
□協力
  茨城県下妻市
  イオン株式会社
  スキップシティ
  BABY,THE STARS SHINE BRIGHT
□協賛
  チュッパチャップス「アイラブミー」フレグランス」
□企画・製作プロダクション
  小椋事務所
□製作統括
  大里 洋吉
  近藤 邦勝
□企画
  宮下 昌幸
  濱名 一哉
□プロデューサー
  石田 雄治
  平野 隆
  小椋 悟
□ラインプロデューサー
  鈴木 ゆたか
□アシスタント・プロデューサー
  曽根 祥子
  岡田 有正
□撮影
  阿藤 正一
□照明
  木村 太朗
□録音
  志満 順一
□整音
  太斉 唯夫
□美術
  桑島 十和子
□ビジュアルエフェクト
  柳川瀬 雅英
□編集
  遠山 千秋
□助監督
  吉見 拓真
□制作担当
  大沢 忠生
□キャスティング
  ネルケプランニング
  おおずさわこ
□製作
  『下妻物語』製作委員会
  アミューズ
  東京放送
  小学館
  東宝
  エフエム東京 (TOKYO FM)
  ホリプロ
  博報堂DYメディアパートナーズ
  パルコ
  小椋事務所

2005年10月04日

吉永小百合さん主演の日活 青春映画DVD-BOX

 11月1日に、大女優 吉永小百合の青春映画を集めたDVD-BOXが発売されるらしい。発売元は全日空商事株式会社

 全日空商事株式会社は、11月1日から「吉永小百合青春映画 DVD BOX」を自社通販で独占販売します。通信販売部が企画・運営する①ANA機内通販誌「ANA SKY SHOP(エーエヌエー・スカイ・ショップ)」②インターネット通販「astyle(エー・スタイル)」③DM通販誌「Goods Forest(グッズ・フォレスト)」で取り扱うほか、新聞、他社カード会報誌を使っての販売を予定しています。(日経プレスリリース「全日空商事、主演5作品をセットにした「吉永小百合青春映画 DVD BOX」を発売」2005/10/03

 吉永小百合さんの映画「北の零年」をまだ見ていないので、見たくなってしまった…。

 ちなみに、「吉永小百合 青春映画DVDボックス」は、税込25,000円。現在、市場に出回っていない旧作の日活映画「大空に乾杯」(1966)をはじめ、石坂洋次郎原作の4作品、「風と樹と空と」(1964)、「美しい暦」(1963)、「雨の中に消えて」(1963)、「赤い蕾と白い花」(1962・原作名「寒い朝」)の計5作品を収録している。全作品、デジタルリマスター版で、「大空に乾杯」「風と樹と空と」「雨の中に消えて」の3作品は、ビデオ未発売の貴重な作品。

 DVD価格破壊の時代にあって、デジタルリマスターであるとはいえど、5作品で25,000円ってのは、少し高く感じる。ま、団塊の世代の吉永ファン(「サユリスト」というらしい)をターゲットにしているってことで、お金が余っている世代を購買層に設定しているから、納得だね。

 ただ、特典として、初回5,000セットに限り、「大空に乾杯」で吉永小百合さんが演じたANAスチュワーデスと同じ制服のオリジナルフィギュア(海洋堂製作)が付いているんだけど、団塊の世代って、こういうフィギュアに興味あるのかね。

 ※作品等の情報は http://www.astyle.jp/anaskyshop/sayuri-dvd/で11月1日より公開。